『インフルエンザ』子供から家族へ感染を防げ!〜激闘の4日間〜 後編

去る1月中旬 仕事中 嫁から上の子が発熱したとのLINEが入る。
徹夜抱っこの末、病院へ連れて行くとインフルエンザA陽性である事が発覚。生後2ヶ月の下の子以外は全員ワクチンを打っているにもかからず…
さて後半は子供発症から3日目~4日目の出来事です。
父は家族へのバイオハザードを防ぐ事が出来るのでしょうか?

前編はこちら

子供発症3日目

1日目の夜と変わらず2日目の夜もエンドレス抱っこの長い夜を過ごしました…
でも処方されたタミフルが少しずつ効いているのか1日目よりは少し寝てくれた気がします。熱は少し下がって37度台へ。
しかし2日ほぼ徹夜はキツい…限界とは言わないが起きるのがとにかく辛かった。

まだ下の子にはうつっていないようでひとまず安心。
自分と嫁はワクチンを打っているのでまぁ大丈夫だろうとタカをくくる。
看病する以上、くくるしかないのだけど…
いつもと変わらない朝食と身支度を済ませ、出勤。

昼食のお弁当を食べ、洗っているとくしゃみが出始めた。
自分は鼻が弱く、頻繁にくしゃみが出るので余り気にはしなかった。
今日はいつもより多いかなという程度。
体に特に変化もないのでそのまま仕事を続ける。
その日の予定は打ち合わせ後、会食の予定が入っているので夕方頃会社を出たと思う。
先方の会社へ着き、話を進めていると、段々くしゃみと鼻水が止まらなくきた。

さすがに…これは来たかもしれないと思う。

当然このタイミングの体調不良はインフルエンザの可能性が非常に高く、先方へうつすもの悪いので、我が家の状況と自分の状況を話したら、話も終わり頃だったので早めに切り上げて貰える事に。
(ちなみに後日聞いてみたら先方へはうつらなかったようでした)
先方の会社を出た頃には頭も体も重さを感じる様になり、鼻の奥が風邪の時独特のツーンと痺れる感じがする。

これはもう駄目だと観念し、会食の先方へ電話。状況を話しキャンセルしてもらえた。

申し訳ないが、これで仕事の方は一旦区切りがつき、ぐったりしながら電車に乗る。
重い頭を揺られながらふと思った。
確か睡眠不足って免疫力が低下するんだよな…2日ほぼ徹夜でインフルエンザの子供を抱っこして夜中咳を浴びてうつらない方が難しいよね。ワクチンもさすがに太刀打ちできなかったか。うん。これうつらないとか無理ゲーだったね。

家に帰り、嫁に症状を報告し熱を測る。

38.5°C

はい、アウト。これはアウト。まだインフル検査してないですが、ビデオ判定を待つまでもありません。完全にアウトです。

この熱を見た嫁がさすがに夜寝るの変わろうかと提案してくれました。
いやでも、ここで嫁まで広がったらその方が本当にマズい。嫁にうつれば自然と生後2ヶ月の新生児にも拡大する可能性が大です。
寝たい、心の底から寝たい!
けど、ここが正念場だと言い聞かせ、食い下がる優しい妻の言葉を上記理由で丁寧に断り、フラフラになりながら今日も子供を抱え戦場(布団)に降り立つ。

幸い子供の熱は37度前半。1日目に比べれば、2日目に比べれば寝れるはずです。
そして今日の夜さえ凌げば明日は会社を休み、昼間は嫁が面倒をみてくれるので多少は睡眠が取れるはずです。
でも上の子は本当に甘えん坊で少しでも起きるとすぐに抱っこをせがむことも知っています。
勿論そんな事を考えている時もずっと抱っこです。抱っこしているのに抱っこ抱っことせがまれるます。意味不明です。
背中を擦って頭を撫でてていると、腕の中に蹲り、毛布をしゃぶり、徐々にうとうとしてくる姿は本当にかわいい。
頃合いをみてそっとおき、自分も横になるとさすがにすぐ眠くなってきます。
しかし、一瞬意識が飛んだかと思うと耳には抱っこ!抱っこ!と叫ぶ声、胸の上にドシンと上半身を乗せられ、ぐっ!とうめきながら起こされる。
かわいいけれど、かわいいけれど…!と反する感情も渦巻くのです。

そんな幾度かの抱っこで起こされると意識が朦朧としてきます。
人間って本当に限界が近いと辛いって思わないんですよね。
マシーンの様に何も思わず、ただただ処理をこなす。
虚ろな意識で抱っこに起きては寝かし、水を飲ませては寝かす。
感情が動くだけロスなのでしょうね。
ふと若い頃、むちゃして仕事してた頃を思い出しました。1ヶ月以上家にかえらないで仕事をし、休みも取らずに限界を迎え、意識が朦朧とした事がありました。
私達の同世代はそれを「無我の境地」(※1)と名付け、ここは超えてはならない一線として語りあいました。

徹夜3日目、熱は39度近く、久々に「無我の境地」が見えかけました。
(とはいえまだ無我の境地に至る程ではなかったです)

子供発症4日目 父発症2日目

幾度の抱っこをした頃か、カーテンの奥が白んで来たのが分かります。
長い長い夜がもうすぐ終わろうとしています。
その頃にはもう正直自分のことなどどうでもよくなっていました。
まぁ死ななければいいかと。

7時頃、階段をのぼる音が聞こえ、ゆっくりと戸が開きます。
「もう、起きたから代われるよ」
ついに女神が現れました。
1日目から数えて幾度の抱っこをした事か。
鳴き声が聞こえる度、何度精神を鞭打ちって体を起こした事か。
それもついに終わりがきました。
枯れた声で
「ありがと…頼む…」
と上の子を嫁に託し、4日目にしてようやく、ある程度まとまった睡眠を取れる環境になりました。 勿論会社にはいけませんから。
(しかしインフル検査の為、3時間後には起きるのだが…)

スマホから会社に休む旨のメールだけを入れ、

すぐに意識はなくなりました。

その後

インフル検査に行き、しっかりとインフルエンザA型『陽性』でした。
しかし、その日は昼間しっかりと睡眠を取れて、夜は抱っこ頻度もかなり落ち着いたので翌日には37度台には落ち着いていました。子供も4日目の夜には平熱になっていました。
勿論ワクチン摂取のおかげでもあると思います。

会社も結局インフルなので週末を挟んで5日分休み、嫁も下の子も頑張ったかいあってうつらずにすみました。
後半はむしろ良い休暇となりましたね。

うつらない対策

本文中には余り書きませんでしたが、自分も含め家族全員出来るだけうつらない対策はしました。
・常にマスク着用(※子供は無理です)
・こまめに手洗いうがい(出来ればお茶で)
・下の子はベビーベッドなど近寄れない環境に常におく
・部屋の換気
・食べ物、箸、器は感染者と完全に分ける(子供の食べ残しは思い切って捨てる)
・服や毛布はこまめに洗濯
・果物、野菜などのビタミンを取る

おわりに

これで激闘の4日間のお話は終わりです。
子供が出来てから初めてインフルエンザにかかりましたが、タイミング次第では本当にキツいですね。家族全員にかかったらと思うと、仕事が佳境だったらと思うと、ほんとうに戦慄しました。
世の中のお父さんお母さんそして自分の父母も含めて尊敬し直しました。
皆こういう夜を超えて強くなっているのですね。

※1
ちなみにブラック企業ではなく自分達でスキルアップの為に無茶していただけです。むしろ止めてくれた先輩の好意を無下にし能率を下げていたなと今では反省しています。今はしっかりホワイトな時間で帰っています。