漫画『恋は光』~形のない思いを表現する芸術的な物語~

恋愛とは何かあなたは答をもっていますか?
レビューで初めて紹介する本は「恋は光」という漫画です

どんどん続きが気になって早くページがめくりたい!という様な面白さではなく
むしろじっくりとゆっくりとページをめくり、咀嚼しながら読むのが面白い本だと思います
登場人物達の純粋な悩み、考察、掛け合いの言葉は重さがありながらも楽しく、読み終わった時には温かい気持ちと充足感、そしてもどかしさを楽しませてくれました

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基本情報

出版:集英社
掲載誌:ウルトラジャンプ
作者:秋★枝
巻数:全7巻(完結)

作者の秋★枝さんは巷では恋愛物を書かせたら右に出るものはいないと言われるほど
通称「恋愛マスター」

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作品概要

恋をしている人が光って見えるという特殊体質の大学生「西条」は恋を知らない「東雲」に恋をします
友達以上恋人未満な「北代」と経験豊富だが本気の恋をしらない「宿木」も西条に好意を持ち始め、それぞれの個性なりに光の謎と恋愛そのものに答えを出していくラブストーリーです

登場人物

【西条】
主人公で恋をしている人が光って見えるという特殊体質
過去の経験から卑屈気味な性格、小説が趣味で北代から「センセ」と呼ばれている

【東雲】
真面目過ぎる故に浮世離れした、恋に恋する女子大生
恋を知るために独自の恋愛考察を展開する

【北代】
西条と小学校からのお笹馴染み
西条に好意を持っているが西条の目には「光っていない」ので恋愛対象外と見られている

【宿木】
恋愛面に自信があり、策を巡らせ自分の思い通りに人を動かそうとする悪女役
しかし西条、東雲、北代の純粋さに触れ本当の恋愛をしっていく

詳細な作品紹介や登場人物などはwikiがあるのでどうぞー

作品の魅力

4人それぞれの独特な恋愛考察

東雲を筆頭に北代、宿木、西条それぞれが個性的な恋愛感を語ります
その考察は個性的ながらも現実感があり、うんうんと頷きたくなったりいやそれはどうだろうとついつい自分も考えさせられます
また理系な人も納得してしまいそうな東雲の答えは素直に面白いと思えました
ここはさすが秋枝さんの真骨頂です

光の謎を探るサスペンス要素

これも読んでいて面白いストーリー展開でした
「光は恋をしている人が発するもの」という前提のお話かと思いきや、登場人物達は「恋をすると光るとは限らないのでは?」と前提そのものから巧みに操り主人公にアプローチをかけます
それがまた主人公や物語を混沌とさせていくのですが、上記の恋愛感考察と密接に関わりこの本ならではのストーリーになっています
ついつい自分でも光の正体ってなんだろうと考えてしまいました

恋愛を考察(研究?)する漫画に「理系が恋をしたので証明してみた。」がありますが、それとはまた違ったベクトルの女性的で知的な考察が楽しめます

西条の北代への思い

北代と西条はとても一言では言い表せない繊細な関係のまま大学まで来ました
それは最後に決着がつきます
ここは余り多くを書くとネタバレになるのでほどほどに抑えますが、
作者も結末は途中まで悩んだと巻末には書かれているほど、色んな感情が巡る結末でした

でも言葉では表せない感情、この本を読むからこそ湧き上がる感情を楽しませてくれるものこそ良書ですよね
(この感情を、結末を、書きなぐりたいがここは未読の方へ紹介する場と心得ぐっと堪えて…)

でも一言だけ…
北代は尊い

日常感

上の3つの魅力を最大に引き上げて繋げているのが大学生活の楽しい日常感です
会話の中に散りばめられている大学生らしい言葉の数々は掛け合いだけでも読み進めたくなる魅力があります
自然と世界に引き込んでくれる技量やセンスは素晴らしい作者です

おわりに

・一風変わった恋愛物が読みたい人へ
・理系脳の人へ
・学生物が好きな人へ

お勧めできる本です
しかしMy Bestで何を紹介するか考えた時、真っ先に浮かんだのがこのタイトル
私としては多くの人へお薦めしたい本です